釧路ユースの想い出

2023-06-08

私が20代の頃、国鉄の「北海道周遊券」を使って、国鉄で北海道を旅する若者が多かったです。(国鉄とは現在のJRです。)

この周遊券は、東京からだと20日間有効、北海道までは急行、普通列車の普通車自由席、青函連絡船の普通船室自由席、そして北海道内は特急、急行、普通列車の普通車自由席が利用できました。

道内時刻表

道内時刻表

とらべるまんの北海道

とらべるまんの北海道

ネットの無い時代でしたから、鉄道での北海道旅行には、カメラの他に、「道内時刻表」そして「とらべるまんの北海道」という、ややマニアックな北海道の情報誌が必携でした。
宿はユースホステルと言われる、男女別の相部屋の宿で、夜のミーティングなどで旅の情報交換をしておりました。

特急おおぞら

1986, 6, 11
特急おおぞら

札幌駅にて

当時の札幌駅は地上駅でした(現在は高架駅)。連絡通路は地下にありました。駅舎は現在の釧路駅のようなレンガ色のタイル張りでした。

そんな訳で、ある年の初夏に北海道を国鉄で旅するべく、本州内の国鉄は普通列車乗り継ぎ、青森から夜行便の青函連絡船を使って北海道に渡り、函館から「特急北海1号」で札幌、市立ライオンズユースに泊まり、札幌から「特急おおぞら」で釧路に向かいます。
この頃の「特急おおぞら」は、ヨーロピアンスタイルの斬新な顔つきで、さすが北海道だなぁ…と思いました。

“電車”ではない特急…ディーゼル特急というのも私にとっては珍しかった。

当時、国鉄の列車はダイヤ通り、正確に運行されていたと思います。

石勝高原を抜けて、広大な十勝の畜産試験場や、十勝川、太平洋の荒波…そんな風景をながめつつ釧路に到着。


釧路では、春採湖の畔にあった市立の釧路ユースホステルを利用しました。(現在はありません)

ペアレントのTさんは、釧路湿原をとても愛し、また中島みゆきさんのアマチュア時代(帯広)からの大ファン。

夜のミーティングは、釧路湿原の楽しみ方。

鳥取橋から温根内までの15kmを歩く事を進められましたが、ひ弱な私はとても無理で、当時はあまり知られていない「湿原大観望」へ行くことにしました。

この「湿原大観望」は、現在の「細岡展望台」。
当時は「釧路湿原駅」は無く、「細岡駅」からダートの道を2.5km歩かなければなりません。

この「湿原大観望」は、「とらべるまんの北海道」には載っていないので、とてもマニアックな場所だと思いました。

そして、夜のミーティングの後は「みゆきタイム」

電灯を消してランプを灯し、「中島みゆき」さんの曲を聴きます。

これが曲にとても合って、なかなか独特な雰囲気です。

「くしろ湿原横断つあー&鶴見台」のパンフ

「くしろ湿原横断つあー&鶴見台」のパンフ

いつでも泊まれるあなたの宿「釧路ユースホステル」

ホステルのスタンプ

ホステルのスタンプ


さて、細岡に行くには釧路11時32分発川湯/根室標津行きの列車で、まだ時間があるので、釧路ユースから釧路駅まで歩いていく事にしました。

ペアレントさんから、春採湖の臨港鉄道の写真は必ず撮るようにと言われたので、バシャ。

春採湖畔の貯炭場と釧路臨港鉄道

1986, 6, 12
春採湖畔の貯炭場と釧路臨港鉄道

現在のひぶな坂の下あたりですが、当時は貯炭場でした。

そして、この石炭列車はシャットルトレーンではないので、この春採湖の貯炭場に石炭を運んでいたのですね。

当時は知りませんでしたが、今見てびっくりです。

春採湖遊歩道

1986, 6 ,12
春採湖遊歩道

春採湖遊歩道を歩き、どのような道を歩いたか覚えていませんが、厳島神社に参拝し…

花時計

1986, 6, 12
花時計

南大通を歩いてロータリー

ロータリーにはオンコの木は無くて、当時は花壇でした。

幣舞橋「春の像」

1986, 6, 12
幣舞橋「春の像」

幣舞橋には4体の若き女性の裸像が飾られていましたが、当時は私も若き男性のためカメラを向けるのもおこがましくて…、なんとか穏やかな春の像だけ写真に収めました。

当時は道東経済センターやMOOは無くて、すっきりとした街並みでした。


釧路11時32分の川湯/根室標津行きの普通列車で細岡へ

細岡駅

1986, 6, 12
細岡駅

とっても趣のある駅でした。

細岡駅からダートの道を歩いて行きます

1986, 6, 12
細岡駅からダートの道を歩いて行きます。

これは振り返った写真。

急行しれとこ1号

1986, 6, 12
急行しれとこ1号

途中の踏切で撮影

湿原大観望

1986, 6, 12
湿原大観望

細岡駅から40分程歩いて「湿原大観望」に到着。

緑色に広がる釧路湿原、ゆるやかにカーブする釧路川が光る。
カッコウの鳴き声、オオジシギの急降する風切り音、そして時折エゾシカの鳴き声がこだまする。

…だれもいない…

風の音と…静かだ。

今は「釧路湿原駅」ができて、一大観光地となってしまった。

でも、静かだった「湿原大観望」の時代に訪れる事ができたのが、とても良い想い出です。


釧路ユースの想い出

Posted by でぇあぶつさん